熟成によってワインのアルコール度数とSO₂量は変化するか?(広報 浅原 有里)

熟成によってワインのアルコール度数とSO₂量は変化するか?(広報 浅原 有里)
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弊社では長期間熟成したオールドヴィンテージワインも多数扱っていますが、ご存知のように熟成によってワインの色調や香り、味わいは大きく変化していきます。ワイン中では様々な変化が起きているはずですが、アルコール度数やSO₂量はどのように変化するのだろうかと、ふと疑問が浮かびました。   そこで、弊社のセラーに眠っていたワインをいくつかピックアップし、出荷当時に公的機関で発行された信頼性の高い成分分析表と2019年現在の成分分析結果を比較してみました。


調べるのは、アルコール度数とSO₂量です。SO₂(便宜上、亜硫酸とします)については、遊離型亜硫酸量と総亜硫酸量の2種類を調べました。参考までに、SO₂について解説した過去のニュースレターから、2種類について言及した部分を引用します。

 SO₂は他の物質と結合したものと、まだ何ともくっつかずワインの中でふらふらしているものがあります。前者は「結合型亜硫酸」と呼ばれていて、アセトアデルヒド(アルコールが酸化したもの)や糖、 ポリフェノール、ビタミンB1などと既に結合しており、期待されている効果は発揮できません。一方、後者は「遊離型亜硫酸」と呼ばれており、これが抗酸化作用や抗菌作用などを持ちます。総亜硫酸量は、結合型と遊離型を足した値です。

全文は以下からご覧ください。 ★[2016年5月号] フィラディス実験シリーズ第10弾 『ワインの「添加物」徹底研究 Part 2 -SO₂(二酸化硫黄)』 (営業 中小路 啓太) https://firadis.net/column_pro/201605

結果

SO2結果表

ワイナリー側が出荷時に行った検査から今回の検査まで、2年半〜7年の熟成期間がありましたが、アルコール度数は全てのワインで下がっていましたし、その下がり幅は熟成の期間に比例していました。熟成によってアルコール度数が低くなることは、紛れもない事実だと言えます。

SO₂についても、遊離型亜硫酸は全てが検出できない数値まで減少しており、すでに酸化防止効果は期待できなくなっていることが分かりました。総亜硫酸も大きな幅で減少しており、熟成によって亜硫酸は非常に微量しか含まれなくなることが判明しました。


今回は熟成期間がそれほど長くないワインでしたが、これほどはっきりと変化が分かったのは驚きでした。ただ今回の検査結果から、遊離型亜硫酸と結合型亜硫酸の相関関係や総亜硫酸量が減少していくメカニズムなど、いくつか疑問が湧いてきましたので継続して調べていきたいと思います。ご質問やリクエスト等あれば、ぜひフィラディスまでお寄せください!

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「ワインは太陽の光に満ちた水である。―― Le vin est de l’eau emplie de soleil.」 これは、ワイン造りにおける太陽光の重要性を表したフランスのことわざです。 太陽の光がなければブドウ樹は成長せず、果実も実らず、そして熟すこともありません。光は光合成の必須要素であり、ポリフェノールの蓄積を促し、香り成分の形成にも深く関わっています。さらに、太陽がしっかりと降り注ぐ環境では湿度が低く保たれるため、カビによる病害の発生が抑えられ、健全な果実の収穫にもつながります。 しかし、太陽光の恩恵がブドウの品質にとって“絶対条件”だった時代と比べ、現代の多くの産地では状況が変化しています。今では、過剰な日射はむしろ品質を損ねる要因となり、世界各地で見られる「日焼け果」や「萎れ果」はその象徴的な例です。 本稿では、11月に筆者が訪れたチリのワイン産地でのインタビューを交えながら、太陽光がもはや単なる“恵み”ではなく、ブドウの品質を左右する「最適化すべき必須条件」となっている理由を探っていきます。 葉への作用―光合成 光・二酸化炭素・水を必要とする光合成におい

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