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気候変動とワイン造り~ADVICLIMが示すブドウ栽培の未来②~  仕入れ担当 末冨春菜

コラム

気候変動とワイン造り~ADVICLIMが示すブドウ栽培の未来②~ 仕入れ担当 末冨春菜

地球上で生きている私たちにとって、切っても切れない地球温暖化の問題。 第一回目 は導入編として、ブドウ栽培における気候変動の概要をご紹介しました。 二回目となる今回は、主要な短期的アプローチについて、ADVICLIM※の提言と、実際の生産者の導入例をご紹介していきたいと思います。 ※ADVICLIM・・フランス国立農学研究所(INRA)やドイツのガイゼンハイム大学をはじめとした国際的パートナーによる気候変動へのブドウ栽培の適応方法を検討したプロジェクト まずは前回の振り返りとして、ADVICLIMがまとめた短期~長期的な対応策と、気候変動への効果の表を振り返りましょう。 短期的なアプローチ ①醸造技術 (Winemaking Techniques) & ②収穫管理 (Harvest management) ADVICLIMの提言書では、醸造技術と収穫管理において、以下の提言がなされています。 * 収穫時期の調整、収穫時期を早める メリット:ブドウの過熟を防ぎ、酸を保ち、アルコール度数の上昇を抑制する。 * 収穫されたブドウの温度管理 メリット:収穫後

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ワインは海で育つ?北海道の海中熟成ワインをテイスティング (広報 浅原 有里)

コラム

ワインは海で育つ?北海道の海中熟成ワインをテイスティング (広報 浅原 有里)

以前のワインコラムプロにて、北海道の7つの海域でワインやウイスキーなどを熟成させている株式会社 北海道海洋熟成の本間一慶さんのインタビューをお届けしました。 今回はその続編として、3年間海中にて熟成させたワインの味わいの違いを検証しました。通常のセラー熟成と比較して、海中環境ではワインにどのような差異をもたらすのか。さらに、海域の違いで味わいにはどんな違いが生まれるのか。今回のテイスティング結果から明らかにしていきます。 熟成環境 以下のそれぞれの環境で、同一ロットのワインを3年間熟成させました。 熟成期間は、2022年6月〜2025年6月です。 ①セラー熟成・フィラディスの長期熟成用セラー・温度15度、湿度75%前後 * https://www.westporttennisclub.com/contact * https://www.ausfitprojects.com.au/testimonials/ ②羅臼(らうす)・水深20〜30m・水温は7つの海域の中で最も低く、0℃〜高くても20℃前後。寒流しか流れ込まないため温度上昇は少ない。・世界遺産に認定された知

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ワイン表現を考える−「テクスチュア」(ソムリエ 織田 楽さん寄稿)

コラム

ワイン表現を考える−「テクスチュア」(ソムリエ 織田 楽さん寄稿)

ワインテイスティングの際に使われる様々な表現語彙は、そのワインをより端的かつ具体的に表現し、ワイン描写の大きな手助けとなってくれます。それら語彙には、濃い/淡い(色合い)、強い/弱い(風味など)、高い/低い(酸味、アルコール度など)といった直接的な表現語彙の他に、多くの比喩語彙があります。最も代表的で馴染みがあるのが、多種多様な香り(nose)表現の比喩です。果実、食品、草木などの自然、身の回りの匂いがあげられます。しかし、比喩語彙は香り表現のみならず、味わい(palate)表現でも用いられます。 今回はその味わい表現のなかのテクスチュア(texture)について考えます。テクスチュアは“質感”、“手触り”、“表面の質感”と直訳され、ワイン表現においてもその滑らかさと渋みに起因する質感を表す際に使われる用語です。では、そのテクスチュア(質感)とは具体的に何を表していて、どんな要素に起因しているのでしょうか。また、テクスチュア同様しばし表現語彙として使われるストラクチュアとはどんな違いがあるのでしょうか。実際にテクスチュア表現に使われる用語を元に考えていきましょう。 * http

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鮎に恋するワインを求めて(広報 浅原有里)

マリアージュ

鮎に恋するワインを求めて(広報 浅原有里)

香ばしく焼き上げた鮎の塩焼き。 その繊細な旨みと、ほんのりとした苦み、清流を思わせる清らかな香りは、日本の夏を代表する風物詩のひとつです。 鮎は「香魚」とも呼ばれ、若鮎の時期にはスイカやきゅうりのような爽やかな香気を放ち、旬の最盛期には内臓にかすかな苦みを含む独特の味わいを持ちます。 淡白ながらも骨や皮にも旨味が詰まっており、塩だけで丁寧に焼き上げれば素材の風味がダイレクトに立ち上る、日本人を魅了してやまない食材です。 鮎とワインのマリアージュについては、過去にもさまざまな考察が出ていますが、私たちフィラディスでも完璧なペアリングを求めて実験をしてみました! どんな産地/品種のワインがマッチするのか。またワインのどの要素が、鮎の味わいとどう響き合うのかーー。そんな疑問を解き明かしてみたいと思います。 鮎について 今回の実験は2024年7月12日に実施しました。 使用したのは、岐阜県産の養殖鮎。一尾あたり約80〜100gと、若鮎の時期を過ぎて盛夏に向けて成長した、やや大ぶりな個体です。シンプルに塩だけで炭火で焼き上げました。 鮎の塩焼きは、淡白ながら脂の乗った白身の甘味と旨味、肝

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低アルコールワイン最前線: 世界の潮流と日本における未来を紐解く     (バイヤー 山田篤典)

ワイン解説

低アルコールワイン最前線: 世界の潮流と日本における未来を紐解く (バイヤー 山田篤典)

健康志向の高まりやライフスタイルの多様化を背景に、ワインの新たな選択肢として世界的に注目度が高まっている低アルコールワイン。最新トレンド、製造技術、そして日本における今後の展望など、その魅力と可能性を考察します。 1.低アルコールワインとは何か? なぜ今注目されているのか? 低アルコールワインとは、一般的にアルコール度数が0.5%以上11%未満のワインを指しますが、国や地域によって定義は異なります。特に近年では、従来のワインよりも意図的にアルコール度数を低く仕上げたローアルコールワインやライトアルコールワインと呼ばれる低アルコールワインの市場が拡大しています。この背景には、いくつかの要因があります。 * 健康志向の高まり:世界的に健康に対する意識が高まり、過度なアルコール摂取を控える傾向が強まっています。特にミレニアル世代やZ世代を中心に、より健康的なライフスタイルを求める動きが活発化しており、アルコール度数の低い飲料への関心が高まっています。 * ライフスタイルの多様化:従来の酔うためのお酒という価値観から、食事や会話を楽しむための飲み物、リフレッシュのための一杯といった

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辛味 × 旨味 × ワイン:麻婆豆腐とのマリアージュ考察 (広報 浅原 有里)

マリアージュ

辛味 × 旨味 × ワイン:麻婆豆腐とのマリアージュ考察 (広報 浅原 有里)

「麻婆豆腐とワイン」一見すると異色の組み合わせに思えるかもしれません。しかし、さまざまな食材や料理とのマリアージュ実験を重ねてきたフィラディスだからこそ、麻婆豆腐にもベストマッチする1本を見つけたい!そんな想いで今回のマリアージュ実験は幕を開けました。 麻婆豆腐は四川料理を代表する一皿であり、花椒による痺れる辛さ、唐辛子の鋭い刺激、豆板醤や豆鼓が生み出す奥深い旨味が絶妙に調和しています。とろりとした豆腐と挽き肉の食感、立ち上る香り、口いっぱいに広がる刺激とコク ―― その魅力は一言では語り尽くせません!! 本レポートでは、①日本人に馴染み深い丸美屋の麻婆豆腐の素(中辛)をレシピに忠実に作ったものと、②重慶飯店の本格的な麻婆豆腐の2種類を、48種類ものバリエーション豊かなワインと合わせ検証してみました。 麻婆豆腐という情熱的な料理に、どんなワインが最も美しく寄り添うのか?ぜひ最後までお楽しみください。 麻婆豆腐について ①丸美屋の麻婆豆腐の素(中辛)は甘味・旨味のバランスが良く、しょうがとにんにくは効いていますが、出汁感が強い穏やかな味わいです。基本的にはさらっとしたテクス

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今一度プレモックスを掘り下げる(ソムリエ 織田 楽さん寄稿)

コラム

今一度プレモックスを掘り下げる(ソムリエ 織田 楽さん寄稿)

2000年台前半にワイン業界に衝撃を与えたプレマチュア・オキシデーション(Premature Oxidation、熟成前酸化、以下プレモックス(Premox))。プレモックスが業界の話題になったきっかけは、1996年ヴィンテージのブルゴーニュ白ワインがたった5-6年後の2000年代前半に驚くほどの酸化劣化をしていた事でした。しかもそれは著名無名、特級村名を問わずブルゴーニュ全体から散見されました。2010年代以降のヴィンテージでは深刻な欠陥はブルゴーニュからは見られなくなりましたが、世界中のとりわけカリフォルニアや西ケープのような温暖な産地からの事例報告は今も挙がっております。一時は単純にコルクの品質が原因だと言われていた時期もありました。しかし、ブドウの段階から瓶詰めまでの酸化作用、酸素の蓄積、亜硫酸をはじめとする抗酸化成分の不足が数年後にプレモックスとして現れることが分かっています。発端から30年近く経った今でも完全なる解決がされていない事からも、幾つもの要素が複合的に絡んでいる事が示唆されます。 プレモックス、その判断の難しさ プレモックスは熟成前酸化と記される通り、熟成経

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気候変動とワイン造り~ADVICLIMが示すブドウ栽培の未来①~(仕入れ担当 末冨春菜)

コラム

気候変動とワイン造り~ADVICLIMが示すブドウ栽培の未来①~(仕入れ担当 末冨春菜)

地球上で生きている私たちにとって切っても切れない地球温暖化の問題。 まだ記憶に新しい2023年、この年は異常に暑く、世界各地で40℃越えを記録し、山火事などの自然災害も相次ぎました。世界気象機関(WMO)は、2023年の世界平均気温は1850〜1900年と比較して、約1.4℃上昇し観測史上最も高かったと発表しています。 同年7月、国連の事務局長による「地球温暖化(Global Warming)から地球沸騰化(Global Boiling)の時代に入った」という発言は、非常にインパクトがあり、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。我々が口にしているワイン、そしてブドウもその影響を大きく受けています。 皆さまは、ヨーロッパの複数の機関や研究者が連携し、2014年から2020年に活動していた「ADVICLIM」というプロジェクトをご存知でしょうか? AD aptation of VI ticulture to CLIM ate change (=気候変動へのブドウ栽培の適応)の頭文字を取っており、気候変動がワイン産業に与える影響を研究し、適応策を提供することを目的とし

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フィラディス ワインリスト研究 第6弾 後編 ~ élevé 松田慧ソムリエ & 株式会社SEA 神沼拓海ソムリエ ~

サービス

フィラディス ワインリスト研究 第6弾 後編 ~ élevé 松田慧ソムリエ & 株式会社SEA 神沼拓海ソムリエ ~

今回のワインコラムプロは、活躍中のソムリエお二人に、同一の料理テーマでワインリストを作成いただき、構成内容や選んだ基準、考え方などをじっくり覗いてみようという人気企画「フィラディスワインリスト研究」の第6弾。今回は後編のペアリング実践編をお届けします。 前編ではお二人のソムリエが選んだワインをご紹介しましたが、今号では実際に食事とワインを合わせた検証会の様子をレポートします。Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)さんの中東料理とイタリアンのエッセンスが組み合わされたお料理にはどんなワインが合うのでしょうか。一つ一つのお料理とのペアリングから、総括的なワインの合わせ方を考えていきます。 ご協力:Tra ttoria Tabule様 élevé 松田慧ソムリエ 1988 年生まれ。東京都出身。専門学校卒業後、西麻布のフレンチ「Le Bourguignon」へ入社、11年間勤める。ブルゴーニュワインの美味しさ、奥深さに魅了され、2022年7月に麻布十番にてブルゴーニュ専門のワインバー・レストラン「élevé」を独立開業。 élevé https://eleve-a

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フィラディス ワインリスト研究 第6弾 前編 ~ élevé 松田慧ソムリエ & 株式会社SEA 神沼拓海ソムリエ ~

サービス

フィラディス ワインリスト研究 第6弾 前編 ~ élevé 松田慧ソムリエ & 株式会社SEA 神沼拓海ソムリエ ~

今回のワインコラムプロは、活躍中のソムリエお二人に、同一の料理テーマでワインリストを作成いただき、構成内容や選んだ基準、考え方などをじっくり覗いてみようという人気企画「フィラディスワインリスト研究」の第6弾をお送りします。 ワインリストにはそれぞれのお店の個性が反映されるのはもちろんですが、何よりもワインセレクトを任されるソムリエの感性や哲学がそのまま投影されます。登場いただくお二人のソムリエがどのようにワインリストを作るのか、ぜひご注目ください! ※前編ではソムリエが選んだ仮想ワインリストをご紹介し、後編にて実際に食事とワインを合わせた結果をお届けします。 * https://www.westporttennisclub.com/contact * https://www.ausfitprojects.com.au/testimonials/ 基本条件 お題:中東イタリアンのワインリスト Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)様にて実施 https://www.instagram.com/tabule_trattoria/ 中東料理が得意な米

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マスター・オブ・ワイン - 世界最高峰ワイン資格の難解さに触れる (ソムリエ 織田 楽さん寄稿)

コラム

マスター・オブ・ワイン - 世界最高峰ワイン資格の難解さに触れる (ソムリエ 織田 楽さん寄稿)

2024年11月5日ロンドンのヴィントナーズホールにてマスター・オブ・ワイン(MW)合格者アワードセレモニーが行われました。今年は新たに10名のMWがその峻険な頂の登攀を家族友人等が見守るなか盛大に讃えられました。 MWは世界最高峰ワイン資格と評され、その合格者数は第1回試験の1953年より現在までの70年間で未だ500名弱に留まります。現役では421名(2024年11月時点)が世界30カ国のワイン業界で活動しています。これまでの合格者には名だたるワインプロフェッショナルが名を連ね、ジャンシス・ロビンソン女史、ジャスパー・モリス氏、故ジェラール・バッセ氏などが挙げられます。 このワイン資格に日本在住者では東京拠点(当時)のネッド・グッドウィン氏が2010年に初めて合格しました。日本人ではこれまで2名がその峻岳を上り詰め、前回合格者は2015年の大橋健一氏です。 インターネットの活性化による情報へのアクセスの手軽さ、世界各地への渡航利便性の向上、物流の発展による各国ワインの入手し易さなど、試験対策環境は向上しています。しかし、同時に出題範囲も拡大し続け、また出題分野も多岐にわたるため

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『Charles Joguet カップ』結果発表!!優勝&フィラディス特別賞に選ばれた、シノンにマリアージュするレシピとは?

コラム

『Charles Joguet カップ』結果発表!!優勝&フィラディス特別賞に選ばれた、シノンにマリアージュするレシピとは?

今回のコラムプロでは、今夏に実施したレシピコンテスト『Charles Joguet カップ』の結果発表をお届けします! 本コンテストは、世界屈指のカベルネ・フランを生み出すワイン産地、ロワール地方シノンで神様と称されるシャルル・ジョゲの「シノン・シレーヌ」にマリアージュするお料理をテーマに開催し、多くの創造力豊かなレシピが集まりました。厳正なる審査を経て、見事なペアリングを披露した優秀作品が決定いたしましたので、講評とともにご紹介します。 👑 優勝 👑 大和芋とベーコンのオーブン焼き、トリュフと山椒の香り製作者:ヒメさん 様 ■マリアージュのポイント 素朴になりがちな大和芋をオーブンで焼き目を付けて明るいテイストにする事で繊細なシノンに合わせてみました。また、隠し味の山椒とトリュフソルトがより複雑なシノンに寄り添います。 * https://www.westporttennisclub.com/contact * https://www.ausfitprojects.com.au/testimonials/ ■材料・大和芋 60g ・ベーコンみじん切り 30g

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