水信フルーツパーラーの人気パフェを もっと美味しく楽しめる♪ ペアリングワインを探してきました! !(広報 浅原有里)

水信フルーツパーラーの人気パフェを もっと美味しく楽しめる♪ ペアリングワインを探してきました! !(広報 浅原有里)
パフェ

パフェといえばファミレスで子どもが嬉々としてつつくもの・・・そんなイメージから一転、現在は旬のフルーツがどっさり載り、見た目も華やかな大人向けのパフェが人気です。札幌では飲んだ後の“締めラーメン”ならぬ“シメパフェ”が定着し、全国各地に行列ができる有名店がたくさん存在しますが、今回は横浜の人気店「水信フルーツパーラー」様で行った、桃とシャインマスカットのパフェに合うワインを探す検証会の様子をレポートします。

無限の組み合わせで魅了する「水信フルーツパーラー」のパフェ

「水信フルーツパーラー」を運営する株式会社水信ブルックスは1915年創業の果物問屋、株式会社水信のグループ企業です。100年以上の歴史がある青果業界のパイオニアですから、扱うフルーツも一級品。そんな目利きが選んだ旬のフルーツを主役にしたパフェが看板メニューです。今回は夏に旬がくる、桃のパフェとシャインマスカットのパフェの2種類をご用意いただきました。

まずはメニューをご覧いただきましょう。この順番でグラスの中で層になっています。

桃のパフェ

シャインマスカットのパフェ

この構成内容を見ていただけば、たくさんの味わいの要素が含まれていることがお分かりいただけると思います。

例えば桃パフェであれば、最初は大ぶりに切られた桃をガブリと一口、その後はカモミールアイスと桃を一緒に味わったりココナツのメレンゲを加えてみたり、下の方が見えてくればホワイトチョコレートクリームとライチシャーベットをすくって桃と一緒に食べ、アイスやシャーベットが溶けたら底の方のジュレやジャムと混ぜ合わせて渾然一体になった状態で食べる・・・と様々な組み合わせで食べ進めることになります。驚きなのは、そのひと口ひと口、どんな組み合わせでも必ず美味しく調和していること!!シャインマスカットのパフェでも同じように素晴らしい一体感がありました。

恥ずかしながら根っからの辛党の私は大人パフェを食べたことがなかったのですが、様々な食材や要素を絡み合わせていくことで感動を覚えるほどの食体験ができることに心底驚きました。
ワインに携わる者として、こんな素晴らしいお料理にはぜひ一緒にワインを飲んでもらいたい!ワインも要素の1つとして楽しんでもらえるはず!と意気込んで検証会に臨みました。

合わせたワイン

品種 産地 残糖 希望小売価格(税抜)
スパークリングワイン
1 NV Jade Vinosia 伊、 カンパーニャ ファランギーナ100% ¥2,150
2 NV I’m Blanc de Blancs from France Because, シャルドネ100% オープン
3 NV Blanquette de Limoux Closerie des Lys Altugnac 仏、 ラングドック モーザック90%、シャルドネ10% ¥2,800
4 NV Cremant de Bourgogne Brut Reserve Deliance 仏、 ブルゴーニュ ピノ・ノワール 50%、 シャルドネ 30%、アリゴテ 20% ¥3,700
5 NV Brut Carte d’Or Veuve Olivier et Fils 仏、 シャンパーニュ ムニエ 60%、 ピノ・ノワール 40% ¥5,500
6 NV Carte Noire Brut Thierry Triolet 仏、 シャンパーニュ シャルドネ 75%、ピノ・ノワール25% ¥4,800
7 NV Brut Bernard Bremont 仏、 シャンパーニュ ピノ・ノワール 70%、シャルドネ 30% ¥5,800
8 NV Cava Brut Rosado Sabartes 西、 カヴァ ピノ・ノワール 100% ¥2,300
白ワイン
9 2020 Alchimie Terres Blanches 仏、 ロワール ソーヴィニヨン・ブラン100% ¥1,780
10 NV I’m Chardonnay from Southern France Because, シャルドネ100% ¥960
11 2020 Riesling Tradition Emile Beyer 仏、 アルザス リースリング100% ¥1,910
12 2020 Rosenegert Hering 仏、 アルザス リースリング50%、ゲヴュルツトラミネール20%、ピノ・グリ20%、ピノ・ブラン5%、ミュスカ・オットネル5% 8.7g/L ¥2,530
13 2018 Gewurztraminer G.C. Kirchberg de Barr Clos Gaensbroennel Cuvee des Frimas Hering 仏、 アルザス ゲヴュルツトラミネール 100% 54g/L ¥3,180
14 2017 Ch. Roumieu Sauternes 仏、 ボルドー セミヨン89%、ソーヴィニヨン・ブラン10%、ミュスカデル 1% ¥3,250
15 2021 Falanghina Vinosia 伊、 カンパーニャ ファランギーナ100% ¥1,230
16 2021 Marina Alta Bocopa 西、 アリカンテ アレキサンドリア・モスカテル(ミュスカ) 100% ¥1,260
17 2021 Moscatel Juan Gil 西、 フミーリャ モスカテル(ミュスカ) 100% ¥1,390
18 2021 Blanco Semidulce フラワーボトル Baron de Ley 西、 リオハ ソーヴィニヨン・ブラン100% 26.5g/L ¥1,300
赤ワイン
19 NV I’m Nero d’Avola from Sicily Italy Because, 伊、 シチリア ネロ・ダーヴォラ100% ¥960
20 2019 Primitivo Mocavero 伊、 プーリア プリミティーヴォ(ジンファンデル)100% ¥1,560
21 2020 Flor de Morca Morca (Juan Gil) 西、 アラゴン ガルナッチャ 100% ¥1,490

結果

桃のパフェ

  評価
NV Jade / Vinosia ワインが軽く柔らかで、白桃の甘さやパフェ全体の甘く柔らかい味わいとテクスチャーが同調。甘さが伸びて美しい余韻が続き、ふわふわとした質感の独特な世界観が感じられた。お互いが引き立てあって、より美味しく感じる素晴らしい組み合わせだった!ただ最後まで一貫して同様な味わいのため、後半飽きてくる可能性はあるかも。
NV Blanquette de Limoux Closerie des Lys / Altugnac ワインの持つ香ばしさが白桃単体だと少し合わないが、クリームやアーモンドのクランブルなどパフェの他の要素と合わせて食べるととても良く合った。ホワイトチョコレートクリームとの組み合わせも抜群で美味しい!
NV Brut / Bernard Bremont 桃のフレーバーとワインのフレーバーが好相性。パフェ全体にしっかり寄り添ってくれる。ただしシャンパーニュは旨味が強く複雑な味わいなので、パフェでは受け止めきれていないように感じた。
2021 Blanco Semidulce フラワーボトル / Baron de Ley また清涼感のあるハーブ香を持つエキゾチックなワインなので、白桃やカモミール、ライチなどのフレーバーと非常によくマッチした。ワインに柔らかさがあるためテクスチャーやボリューム感が同調する上にお互いのトーンも合っており、酸と塩味と甘味のバランスが整うため、素晴らしいマリアージュを見せてくれた。
2021 Marina Alta / Bocopa アロマティックなワインと様々な香りや味わいの混ざるパフェが違和感なく寄り添い合った。合わせるとアフターにほのかな塩味を感じるが、それがアクセントとなって「もう一口、もう一口」と食べたくなる。
2018 Gewurztraminer G.C. Kirchberg de Barr Clos Gaensbroennel Cuvee des Frimas / Hering パフェの後にハーブティーを飲むような雰囲気。好みは分かれるが後を引く美味しさが感じられる組み合わせ。

スパークリングワインに関しては、パフェの軽やかで重心が高めの味わいに同調しながら、複雑な要素としっかり寄り添うワインが選ばれました。シャンパーニュは熟成感や力強く複雑な味わいがパフェに勝ってしまうため良い結果にはなりませんでした。 白ワインは鋭角すぎるワインや樽が強いワインは合わず、程よい柔らかさとエキゾチック系のアロマティックなものが非常によく合いました。 赤ワインに関しては、今回用意したものが果実味豊富でフルボディに近いものだったこともあると思いますが、タンニンがまったく合いませんでした。

シャインマスカットのパフェ

  評価
NV Brut Carte d’Or / Veuve Olivier et Fils ワインの果実味とシャインマスカットの風味が絶妙にマッチ。アイスやフロマージュブランなどその他の要素にもワインが寄り添い、ムニエの柔らかいテクスチャーがパフェのやや重心が低めなテクスチャーにぴたりと合っていた。これぞペアリング!と唸る組み合わせだった。
NV I’m Blanc de Blancs from France / Because, パフェの様々な要素を全体的にバランスよく受け止めて、きれいなアフターにつなげてくれた。驚きはないかもしれないが、心地よく楽しませてくれる組み合わせ。
2021 Marina Alta / Bocopa フレーバーの相性が抜群!ワインの酸味がパフェの甘味をぐっと引き締め、爽やかなマリアージュに昇華させてくれた。全体的なバランスもGOOD!
2020 Rosenegert / Hering パフェを瑞々しく感じさせてくれる組み合わせ。ワインとパフェの要素がバランスよくまとまった。アフターに若干の苦味が出るのが玉に瑕。

シャインマスカットのパフェは、重心の低さを感じる味わいでほのかな塩味がポイントでした。

スパークリングワインでは、桃のパフェとは対照的な重心の低さがあるので比較的シャンパーニュに合わせやすかったのですが、タンニンや酸が目立つものは難しい結果になりました。
白ワインはソーヴィニヨン・ブランやリースリングはワインの苦味や青さが引き出されてしまうため、なかなか合うワインが見つからなかったのですが、やはりミュスカ(マスカット)のフレーバーの同調が最強だったように思います。
赤ワインはネロ・ダーヴォラは可能性があるように思いましたが、やはりタンニンなどワインの強さが邪魔をしてしまい選出はされませんでした。


今回はパフェにワインを合わせるというチャレンジ企画でしたが、いかがでしたでしょうか?
正直に白状しますと、準備段階では「これまでで一番難しい実験になってしまうかもしれない…」「1回の検証会では合うワインが見つからない可能性もあるよね…」と苦戦を予想して戦々恐々としていました。しかし、水信フルーツパーラー様のパフェが非常に複雑な味わいで素晴らしいクオリティーだったためにベストマリアージュをいくつも見つけることができ、感無量です。。。

皆さまも「うちの料理にはどんなワインが合うの?」とお困りでしたら、ぜひフィラディスまでお問い合わせください。お待ちしております!


(ご協力)

水信フルーツパーラー


神奈川県横浜市中区北仲通5丁⽬57番地2
KITANAKA BRICK&WHITE(北仲ブリック&ホワイト)1F
045-662-9295

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熟成ワインの魅力(後編)

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前編では、ワインの熟成が単なる時間の経過ではなく、構造的・化学的な変容プロセスであることを解説しました。そこには、果実味やタンニン、酸などの要素が複雑に絡み合い、時間とともに香りや味わいの深みが増していく神秘がありました。 もに香りや味わいの深みが増していく神秘がありました。 後編では、まずはワインの色調変化から解説し、長期熟成に適した品種や産地の特性を整理します。あわせて、品質を左右する熟成環境──保管方法や温度・湿度管理の要点についても、具体的に見ていきます。 4. 色の変化:時が刻むワインの色調の移ろい ワインの外観、特にその色調は、熟成度合いや健康状態を判断するための重要な視覚的手がかりとなります。熟成のプロセスは、ワインに含まれる色素成分(赤ワインではアントシアニン、白ワインではフラボノイドなど)が、酸化、重合、分解といった化学変化を経ることで、色調に顕著な変化を引き起こします。 赤ワインの色の変化: ・若年期(Young): 若い赤ワインは、紫や濃いルビーの色調を呈することが多く、鮮やかで密度の高い印象を与えます。特に若いカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーな

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熟成ワインの魅力(前編)

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