フィラディス実験シリーズ第3弾!唐揚げ、エビフライ、ハンバーグ …やっぱり押さえたい家庭料理とワインのマリアージュ、結果はいかに? (営業 山岸 佳穂里)

フィラディス実験シリーズ第3弾!唐揚げ、エビフライ、ハンバーグ  …やっぱり押さえたい家庭料理とワインのマリアージュ、結果はいかに? (営業 山岸 佳穂里)
とんかつ

こんにちは。主婦歴9年目に突入しました、営業の山岸です。 百貨店のワイン催事などで試飲販売をしている際や、ママ友達から、ワインについて頻繁に質問されることがあります。それが、 「普段の家での食事には、どんなワインを合わせたらいいの?」 「家庭料理のように、お醤油を使ったものに合うワインはありますか?」 「お惣菜の揚げ物には、赤?白?」 といった家庭料理とワインとのマリアージュ。ビールやチューハイに比べると、どうしても「ワインはハードルが高い」と思われてしまうようです。


確かにワインは種類も豊富で難しく感じられてしまいがちですが、食事とのマリアージュのバリエーションの多さは、ワインならではの魅力です。

ワインを更に美味しく、そしてもっとたくさんの人に気軽にワインを楽しんでもらいたい!!…探してみようではありませんか、それぞれの家庭料理におススメのワインを。

と、いうわけで今回は家庭料理とワインのマリアージュ実験を社員全員で実施。料理は 12 種類、ワインは赤白 3 種類ずつ用意しました。(だんだん実験が大掛かりになっている気が…苦笑)

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マリアージュする際の採点ポイントは、

風味(香り)

触感(質感、触感、ボリューム感)

五味(甘味、塩味、旨味、苦味、酸味)

この家庭料理 12 種類×ワイン 6 種類、計 72 種類の実験結果の中から、高得点を獲得した組み合わせを 5 つご紹介いたします!

=今回使ったワイン=

2011 Macon Clos de la Maison / Domaine Cordier P&F (マコン シャルドネ)

2011 Valencay Blanc / Minchin(ロワール ソーヴィニョン)

2011 Riesling Andlau / Guy Wach (アルザス リースリング)

2011 Solosole / Poggio Al Tesoro (トスカーナ ヴェルメンティーノ)

2010 Bourgogne Rouge / Francois d’Allaines(ブルゴーニュ・ルージュ)

2010 DOS / Rafael Cambra(バレンシア カベルネソーヴィニョン+カベルネフラン)

2011 Cotes du Rhone Villages Visan / Bastide(ローヌ シラー)

海老フライ・タルタルソース × アルザス / リースリング

まず、タルタルソースに含まれる酸と、リースリングの柑橘系の酸味がすんなりと合い、更に海老の甘さもこのリースリングの酸が引き立てました。衣もしっかりとしていて、海老は身が大きく存在感がたっぷりでしたが、リースリングのピシッとしたミネラルと、海老と同じくらいボリュームのある果実が口の中で何とも贅沢な相乗効果を生み出しました。

海老はさらに高級な食材になったように感じられる、幸せなマリアージュでした。

ロールキャベツ・コンソメ風味 × マコン / シャルドネ

コンソメに含まれる強過ぎない、けれど様々な要素がワインの様々な構成要素と合う要因になりました。コンソメの複雑な風味と樽の風味も重なり合い、キャベツの持つ甘さとシャルドネのコクのある果実の甘やかさも調和。豚挽肉のふくよかでコクのある肉のボリュームを、シャルドネのミネラルと酸がしっかりと支えました。相乗効果で料理もワインも両方がより華やかに合いました。

ハンバーグ デミグラスソース × バレンシア / カベルネ・ソーヴィニョン+カベルネ・フラン

豚肉の比率が高めで牛臭さがなかった今回のハンバーグ。デミグラスソースの濃さとカベルネの濃さ、そしてソースの甘みと果実の甘みがぴったりとマッチ。ハンバーグのふっくらとした質感には、丸みのあるふくよかな果実が合いました。ハンバーグの脂をカベルネのスパイシーさと酸がピシッと引き締めるのも、嬉しいポイントでした。

鶏の唐揚げ・醤油風味 × アルザス / リースリング&ブルゴーニュ・ルージュ

お子さんがいるご家庭では、特に頻度が多い家庭料理だと思いますが、赤白とも合わせることができます。

白で合ったのが、またまたアルザス・リースリング。リースリングの酸が肉の臭みを消し、果実の粘性が鶏肉を更に柔らかく仕上げました。醤油の塩味とリースリングの酸もバランス良く相乗。また、レモンを絞ったら、リースリングの持つ柑橘系の酸と相乗してさらに◎でした。

赤でのおススメは、ブルゴーニュ・ルージュ。果実のベリー系の要素が強くないことが重要に。醤油の風味と、ブルゴーニュ・ルージュの持つダシっぽさのある風味が良く合いました。そして鶏のジューシーさに果実の優しいジューシーさがGood。

ワインの旨みと脂の旨みが口の中でマリアージュ。衣の油にほどよいタンニンが心地よく合いました。

冷豚しゃぶ・ごまだれ × ロワール / ソーヴィニョンブラン

白3種それぞれと合いましたが、まさに“マリアージュ”となったワインがソーヴィニョン・ブラン。

ゴマの風味とワインの風味が相乗し、ワインがゴマだれをキレイに仕上げました。そして、豚肉の質感をワインの酸が補完し、味わいの方向性も一緒に。ハーブ系の香りと、上品な中にも芯のしっかりとした果実とミネラルが、豚の脂を上手に包み込みました。ゴマだれとタンニンはぶつかってしまい、果実の青さが出てしまうので、酸でキレイに仕上げていくのがポイントだと発見しました。

そして上記の実験とは別に、特別枠で今まさに旬を迎えた“サンマに合うワイン”のマリアージュ実験も行いました。ちょっとビックリな品種がマリアージュとして登場です!

サンマ・塩焼き × トスカーナ / ヴェルメンティーノ

なんとなんと、サンマにいちばん合った品種が、ヴェルメンティーノという結果に!

脂を多く含むサンマには、同じく少し粘性を含み果実のボリュームがワインに必要になりました。

ワインに必須の要素となったのが、青魚特有の青さや臭みをワインが悪い意味で引き出さずに、サンマの脂ごと包み込めるかどうかです。ヴェルメンティーノが持つほど良い塩味と苦みが、サンマの塩味・苦みとの共通要素として上手く重なり、口に含んだ時に果実のボリュームがしっかりと身を包み込み、余韻までキレイに味わいを引き上げてくれました。

実験を終えて

今回の12種類の家庭料理とのマリアージュ、またまた新しい発見がたくさん出てきました。「ソースの掛かったトンカツだったら、赤も合うだろう」と思っていましたが、樽の効いたボリュームのある赤は風味も触感も五味も合わず。また、「白身魚の煮つけにも、タレの濃さで赤か、白身だから白かどちらだろう」と予測してから食べたのに、「今回のワインのどれにも合わない!」という結果だったり。サンマにヴェルメンテーノが一番合うなど、驚きの結果が出たり。

「今夜はワインを飲もう」と思うと、パスタなどのイタリアンやビーフシチューなどを考える消費者の方も多いと思いますが、いちばん身近な“家庭料理”に合うワインをご提案することによって、ワインをもっと日常的に召し上がって頂けるようになってほしいと思います。同じ料理でも、使う素材の比率や、味付けでマリアージュも異なってきますが、お店のお客様に家庭料理に合わせるワインをお勧めする際の一助になれば幸いです。

フィラディス実験シリーズ、まだまだ続きますので、新たな実験のご要望ございましたら、ぜひご意見をお寄せくださいませ!

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熟成ワインの魅力(後編)

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