ワイン解説

低アルコールワイン最前線: 世界の潮流と日本における未来を紐解く     (バイヤー 山田篤典)

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低アルコールワイン最前線: 世界の潮流と日本における未来を紐解く (バイヤー 山田篤典)

健康志向の高まりやライフスタイルの多様化を背景に、ワインの新たな選択肢として世界的に注目度が高まっている低アルコールワイン。最新トレンド、製造技術、そして日本における今後の展望など、その魅力と可能性を考察します。 1.低アルコールワインとは何か? なぜ今注目されているのか? 低アルコールワインとは、一般的にアルコール度数が0.5%以上11%未満のワインを指しますが、国や地域によって定義は異なります。特に近年では、従来のワインよりも意図的にアルコール度数を低く仕上げたローアルコールワインやライトアルコールワインと呼ばれる低アルコールワインの市場が拡大しています。この背景には、いくつかの要因があります。 * 健康志向の高まり:世界的に健康に対する意識が高まり、過度なアルコール摂取を控える傾向が強まっています。特にミレニアル世代やZ世代を中心に、より健康的なライフスタイルを求める動きが活発化しており、アルコール度数の低い飲料への関心が高まっています。 * ライフスタイルの多様化:従来の酔うためのお酒という価値観から、食事や会話を楽しむための飲み物、リフレッシュのための一杯といった

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またまたレアワインを発見! ノン・ヴィンテージのシャトー・マルゴーや、ピション・ラランドの「サン・ジュリアン」とは??(広報 浅原 有里)

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またまたレアワインを発見! ノン・ヴィンテージのシャトー・マルゴーや、ピション・ラランドの「サン・ジュリアン」とは??(広報 浅原 有里)

みなさま、こんにちは。 以前、KrugのクレマンやCh. Latourのロゼなど、激レアワインをご紹介しました*が、また新しいアイテムが手に入りましたのでご紹介したいと思います。 1つ目は、「Ch. Margaux Non Millesime」 です。なんと、Ch. Margauxの長い歴史の中で唯一のノン・ヴィンテージとなった1965年のワインです! 公式サイトによると、「1965年は、シャトー・マルゴーが誕生しなかった唯一の例です。ワインの品質は極めて平凡で、ほかのヴィンテージワインと混ぜ合わされ、結果、『シャトー・マルゴー・ノン・ミレジメ』が生産されることになりました。今の感覚では突飛な決断であるように思われるかもしれませんが、この時代の極めて困窮した状況をおそらく考慮すべきでしょう。」とのこと。 この年は収穫直前の9月に雨が降り続き、破滅的な天候だったようで、ブドウの実はすぐに悪化して「まっとうな収穫ができなかった。」と書かれていました。シャトーの無念さが伝わってくるようですね。。 そして、2つ目はこちら!Ch. Pichon Longueville Comtesse de

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ワインにおける土の世界(バイヤー 山田篤典)

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ワインにおける土の世界(バイヤー 山田篤典)

「ワインの世界がブドウ品種に牛耳られるようになったのはここ30年ほどである」 ある書籍の中でこのような文言を見てはっとさせられました。確かにワインを勉強している私たちは、レストランなどでワインをオーダーする時、ブドウ品種を聞いてワインの味わいを想像してしまうことが多いかと思います。それはおそらく、ブドウ品種が持つ個性というのはある程度普遍性があると考えているからではないでしょうか。 しかしワイン生産において、普遍的な要素はブドウ品種の他にもあります。天候は毎年変化します。人が行う栽培、醸造、熟成も毎年あるいは代替わりによって変化します。 それでは、テロワールにおいて普遍的なものは何なのかと考えた時、出てくる答えの一つに土壌が思い浮かびます。 土壌が完全に普遍的かと言われるとそうではありません。今から数千年~数万年と経てば、きっと変化はあることでしょう。ただ、私たちが生きるせいぜい百年くらいであれば、普遍的と言って良いでしょう。 今回のニュースレターではそんな土壌にフォーカスして、栄養素・pH値・粒子・母岩の性質という4つの観点から土壌を分類・分析し、それぞれの役割・特徴などに関

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ブルゴーニュを脅かす、ブドウ畑価格の高騰(代表取締役社長 石田大八朗)

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ブルゴーニュを脅かす、ブドウ畑価格の高騰(代表取締役社長 石田大八朗)

グッチやボッテガ・ヴェネタなどのラグジュアリーブランドを傘下に持つファッション業界の帝王フランソワ・ピノーは、英国のオークションハウス・クリスティーズの役員であり、さらにシャトー・ラトゥールのオーナーでもあります。その彼がクロ・ド・タールを購入したというニュースは少し前に業界で大きな話題となり、仏ビジネス新聞「Challenges」はその購入額が約300億円(2億€)だと推定しました。 300億円はモノポールの畑を含むドメーヌ全体の金額です。その価値を分析すると、①ブドウ畑、②設備、③ブランド価値の大きく3つに分けて考えられます。それぞれの価値を正確に算出するのは難しいので、あくまで仮定の話として、②設備が10億円、③ブランド価値が50億円とすると、残りの①ブドウ畑が240億円相当となります。クロ・ド・タールは7.53haありますから、なんと1haあたり32億円(2000万€)!ブルゴーニュのグランクリュだからこその目もくらむような巨額取引です。 もしも土地の価格を仮に1年間のワイン代で償却するとなると・・・ ヘクタールあたりの収量=30hℓ そこから算出される生産本数=30hℓ/

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若手ソムリエ応援プロジェクト「分析的テイスティングセミナー」講師:千葉 和外 氏

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若手ソムリエ応援プロジェクト「分析的テイスティングセミナー」講師:千葉 和外 氏

今回は若手ソムリエ応援プロジェクトの一環で行われたセミナーの中から、「分析的テイスティングセミナー」の内容をご紹介いたします。 分析的テイスティングとは、ワインが持つすべての要素(色、香り、味わい、ストラクチャー)をデータ化して分析し、ワインのアイデンティティを推測するテイスティング方法で、現在のイギリスやアメリカで主流の方式となっています。 このスタイルはワインの流通にかかわる人たちから派生したもので、香りの説明を中心とするフランス式と比較すると、より客観的なテイスティング方法です。 講師の千葉和外氏は、カリフォルニアで醸造や栽培を学び、日本でもカリフォルニアワインの魅力を広げ続ける、日本の分析的テイスティング方法の第一人者です。  千葉和外氏プロフィール: リストランテ ラ ブリアンツァ シェフソムリエ The Court of Master Sommeliers認定Advanced Sommelier カリフォルニア州 ナパヴァレー大学にて醸造・ブドウ栽培を学び、 レストラン オーベルジュ ド ソレイユに勤務。 帰国後、複数のレストランでシェフソムリエを歴任し、現職に至る。

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【世界のトレンドを知る①】シェリーの過去と現在           (バイイングアシスタント 谷川 涼介)

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【世界のトレンドを知る①】シェリーの過去と現在    (バイイングアシスタント 谷川 涼介)

世界で最も偉大なワインの一つで、食事と完璧に合うにも関わらず、 世界で最も過小評価されているワインは何でしょうか?   それは辛口のシェリーです。   その理由はシャンパーニュと比較するとよくわかります。 どちらもアペリティフとして認知が広く、畑はピュアなチョークの土壌、 どちらもベースワインを造りそこから次の工程に進みます。 高い技術を要するブレンドからシャンパーニュが生まれ、 長い樽熟成の後で巧みなブレンドをするのがシェリー。   もう一つの共通点は、その多くがヴィンテージ表記なしに販売されていることです。 これはつまり、他のワインとは異なりボトルは違えどその見た目と味わいは毎年変わらず、 ワイン評論家にとっては取り上げるべき「新しさ」がない、と言い換えることもできます。   これほどの類似点がありながら、シャンパーニュは世界的な成功をおさめ、 シェリーの売り上げと評価がしぼんでいったのはなぜでしょうか? この低迷の背景を読み解くとともに、現在注目を集めるプレミアムシェリーに焦点を当て業界のトレンドを見ていきたいと思います。 今大注目のPremium Sherryのスタイルとは

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若手ソムリエ応援プロジェクト 『ペアリング理論セミナー』 最新の講義内容を公開します!(広報 浅原 有里)

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若手ソムリエ応援プロジェクト 『ペアリング理論セミナー』 最新の講義内容を公開します!(広報 浅原 有里)

フィラディスでは、『若手ソムリエ応援プロジェクト』の一環として、毎年ソムリエの基本スキルを学ぶコース形式のセミナーを開催しています。   今回は、その中でも特に人気の高い「ペアリング理論セミナー」の内容を公開します。講師は、元銀座レカンのシェフソムリエで、現在も多数の飲食店のワインプロデュースを手がけたり、自身でもモダンベトナムレストランAn Diを経営し、ワインや日本酒のテイスターとしても活躍する大越基裕さんです。感性や地方性だけに頼らない、理論的なペアリングの考え方を解説します。   ※2013年に行ったセミナーの内容を更にブラッシュアップした最新版です。 ※本内容は、「マリアージュ理論」として行ったものです。大越先生のご意向により、現在主流になりつつある「ペアリング」という言葉を使用しています。 ペアリング理論 まずよく食べ物と飲み物の相性を語る時に、「洗い流す」「邪魔をしない」「何にでも合う」という言葉が使用されることがありますが、これらは決してペアリングではありません。その感覚ですと水で十分ということになってしまいます。 特にソムリエとしてお客様に提案する立場の人で

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【醸造工程を識る】第2弾 : フィルター(バイイングアシスタント 谷川 涼介)

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【醸造工程を識る】第2弾 : フィルター(バイイングアシスタント 谷川 涼介)

今回のニュースレターは、「フィルター」がテーマです。自然派ワインがブームになり「ノンフィルター」という言葉を目にする機会が随分と増えましたが、飲み手の間では依然として「フィルターをしているのか、していないのか」のみに焦点が当たりがちではないでしょうか。 フィルターの工程は醸造において非常に重要な意味を持ち、使い方によってはワインを生かしも殺しもします。そこで、今回は一般的なフィルターのフローや種類、使用のタイミングを今一度見直し、それぞれのメリットとデメリットを知ることで、生産者たちがどういった目的で使い分けているのかを探っていきます。 フィルターの目的とタイミング そもそもフィルターの目的とは何でしょうか。ここではシンプルに、ワインに含まれるたんぱく質などの目に見えない固形物や酵母などの微生物を取り除き、瓶内でバクテリアによる汚染や残留酵母による再発酵を防ぐこと、だと考えます。 フィルターを使うタイミングとしては、アルコール発酵前から発酵後と、瓶詰めの直前に行うのが一般的です。それぞれの段階の果汁の状態と取り除きたい物質の性質やサイズに応じて、生産者たちは様々なサイズの気孔(液

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気になるワインニュースを総ざらい ~「ワインの税金」と「偽造ワイン対策の最新技術」(広報 浅原 有里)

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気になるワインニュースを総ざらい ~「ワインの税金」と「偽造ワイン対策の最新技術」(広報 浅原 有里)

皆さま、こんにちは!今号も手に取っていただき、誠にありがとうございます。 今月のニュースレターでは、ワインに関する最近のニュースから、「ワインの税金」と「偽造ワイン対策の最新技術」の2つのトピックを少し掘り下げてお伝えしたいと思います。 【ワインの税金】 昨年末、日本と欧州連合(EU)がEPA(経済連携協定)の交渉で合意したことで、ヨーロッパの産出品に課せられる関税が撤廃や引き下げになるため、ワインやチーズが安くなるぞー!というニュースが駆け巡りました。2019年には合意から発効となる見通しで、特にワインは「即時撤廃」となりますので、すぐの値下げにつながる予想です。ラグビーのワールドカップや東京オリンピックに間に合いますね! では、実際には価格はどれくらい下がるのでしょうか? ワインにかかる税金について、ふわっとしか認識されていない方も多いと思いますので、まずは税制をおさらいした上で、値下げ度合いを検証してみます。 ☆ 一律の酒税・・・2023年までに増税となります ワインにかかる税金には、「酒税」と「関税」があります。 「酒税」は750mlボトルのワインは現在全て60円

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Krug の“クレマン”とは??これまでに出会ったマニア垂涎の『激レアワイン』をご紹介します!(ファインワイン担当 曽束 仁寿)

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Krug の“クレマン”とは??これまでに出会ったマニア垂涎の『激レアワイン』をご紹介します!(ファインワイン担当 曽束 仁寿)

私は15年近くワイン輸入会社に勤めており、特に古いヴィンテージのワインやレア&高価なファインワインを多く扱ってきました。ここ数年は買い付けも担当しており、海外のサプライヤーから毎日届くたくさんのオファーに目を通しています。そんなオファーの中には、「え?!」と驚くレアアイテムが稀に現れてきたりもします。 今回は15年の間に取り扱った、もしくは見かけた激レアなワインをご紹介したいと思います。 シャンパーニュメゾンに“クレマン”があることはご存知でしょうか? 現在シャンパーニュ地方では製造が認められていませんが、70年代までは通常の気圧より低くしたものがクレマンとして販売されていました。これは1975年にクレマンがAOCで 規定されたことでシャンパーニュではクレマンを称することが出来なくなったためだと推測されます。 弊社内で極秘に保管されていたものの中に、なんとKrugのクレマンが!!Krugでは、世界大戦前後と1974年から数年間だけしか製造していなかったようで、Cuvee Private(Grande Cuveeの前身)より安価な設定となっており、ごく一部のレストランと特別な個人顧

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特別セミナー『白ワイン/赤ワインの醸造&熟成の違いによる味わいへの影響』を公開!(講師 大越 基裕氏)

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特別セミナー『白ワイン/赤ワインの醸造&熟成の違いによる味わいへの影響』を公開!(講師 大越 基裕氏)

ワインの味わいを左右するのはもちろんどんなブドウを使うかが最も重要ですが、醸造&熟成の方法によってもその味わいは変化します。 今回は、醸造方法や熟成方法にどんなバリエーションがあって、それぞれがワインに及ぼす影響がどういったものなのかを解説したセミナーの内容をご紹介します。講師はワインテイスターとして活躍中の大越基裕氏です。 【白ワインについて】 <基本的な白ワインの醸造・熟成フロー> ※参考:「2015日本ソムリエ協会 教本」P16,17より抜粋 ☆ 選果 収穫時に畑で、そして蔵に入ってきた段階で選果を行う。 生産者によっては、白ブドウの場合は厳格な選果を行わない場合もある。ボトリティスの付いているブドウが多少あっても、選果後すぐに圧搾して果汁を絞るので大きなダメージにならないため。むしろボトリティスが少し入った方が、独特の風味と味わいにリッチさを与えてくれるので、良いイメージを持っている生産者もいる。リッチさを求めず、クリーンでピュアなワインを造りたい生産者は、キレイに選果をする。赤ワインでは果皮を浸漬するので、カビの臭いの付着や酸化を促してしまうため、徹底的に選果する

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【醸造工程を識る】第1弾:プレス(バイイングアシスタント 谷川 涼介)

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【醸造工程を識る】第1弾:プレス(バイイングアシスタント 谷川 涼介)

今回のニュースレターは、「プレス(圧搾)」がテーマです。古くは人の手や足を使って行われていた最も原始的な“破砕したブドウから果汁を絞る”というワイン醸造工程ですが、現在は一度に大量のブドウを絞ることが出来る「プレス機」を使って行うのが一般的です。このプレス機は古代ギリシャ人やローマ人たちが現在の土台となるものを生み出したとされるほど、非常に長い歴史を持っています。 ワイン造りに欠かせないプレス機ですが、生産者に話を聞くと、いくつかの種類をブドウ品種や目的によって使い分けていることが分かります。どんな種類があって、どのような用途で使い分けるのか、解説していきたいと思います。 【プレス機の種類と変遷】 現在使われているプレス機は大きく3種類に分けることが出来ます。 一つ目は、全てのプレス機の原型モデルとなる、上から下の縦方向に圧力を加えて搾汁する「垂直式」または「縦型」と呼ばれるものです。シャンパーニュ地方で伝統的に使用されているバスケット・プレスと呼ばれる木製の圧搾機はこの「垂直式」タイプの典型です。 その後、「スクリュー式水平圧搾機」や「バスラン型」と呼ばれるプレス機が登場し

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