コラム
ブドウ樹の病害と新しい対策について<後編>-Pest / 有害生物- (仕入れ担当 末冨春菜)
多くのワインメーカーが「素晴らしいワインは素晴らしいブドウから生まれる」とし、畑での作業に多くの時間を費やしています。このコラムでは全3回に分けて、畑にフォーカスし、生産者、そしてブドウ(樹)を脅かす病害とその最新の対策について見ていきたいと思います。 第1回は幹の感染症、第2回はカビ・細菌・ウイルス病について紹介しました。最終回となる今回は、有害生物(害虫)をご紹介します。 ①有害生物(害虫)による被害 有害生物は様々な方法でブドウ畑を襲います。ブドウ粒の食害や、ブドウ葉に物理的に損傷を与え光合成能力を低下させるだけでなく、葉の上に住み、樹液を吸ってブドウ樹全体を弱らせたり、根を攻撃し、ブドウ樹の水分や栄養分の吸収能力を低下させます。さらに、媒介者としてブドウ樹からブドウ樹へと病気やウイルスなどを感染させるという害も与えます。 栽培家にとって一番シンプルな対応法に殺虫剤や殺ダニ剤の使用がありますが、これは最小限に抑えたとしても畑に生息する捕食者となる益虫まで殺してしまう事があります。環境への負荷を0に近づけながら害虫の被害も無くすため、栽培家は畑や植物を注意深く観察しながら