検証&実験

熟成によってワインのアルコール度数とSO₂量は変化するか?(広報 浅原 有里)

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熟成によってワインのアルコール度数とSO₂量は変化するか?(広報 浅原 有里)

弊社では長期間熟成したオールドヴィンテージワインも多数扱っていますが、ご存知のように熟成によってワインの色調や香り、味わいは大きく変化していきます。ワイン中では様々な変化が起きているはずですが、アルコール度数やSO₂量はどのように変化するのだろうかと、ふと疑問が浮かびました。   そこで、弊社のセラーに眠っていたワインをいくつかピックアップし、出荷当時に公的機関で発行された信頼性の高い成分分析表と2019年現在の成分分析結果を比較してみました。 調べるのは、アルコール度数とSO₂量です。SO₂(便宜上、亜硫酸とします)については、遊離型亜硫酸量と総亜硫酸量の2種類を調べました。参考までに、SO₂について解説した過去のニュースレターから、2種類について言及した部分を引用します。  SO₂は他の物質と結合したものと、まだ何ともくっつかずワインの中でふらふらしているものがあります。前者は「結合型亜硫酸」と呼ばれていて、アセトアデルヒド(アルコールが酸化したもの)や糖、 ポリフェノール、ビタミンB1などと既に結合しており、期待されている効果は発揮できません。一方、後者は「遊離型亜硫酸」と呼

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【フィラディス実験シリーズ第25弾 】僅か2℃の差 保管温度「13℃」と「15℃」 4年間の熟成で違いは出るのか?(営業 寺尾 翔)

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【フィラディス実験シリーズ第25弾 】僅か2℃の差 保管温度「13℃」と「15℃」 4年間の熟成で違いは出るのか?(営業 寺尾 翔)

『4℃、14℃、35℃の3つの温度帯で12カ月間、年3回の定点分析』 2015年に行われた寺田倉庫と山梨大学が共同で行ったこんな実験をご存知でしょうか。 その結果、ワインの熟成効果による味わいの複雑性や広がりが最も進行するのは14℃であることが発表されました。この結果は「当たり前」だと思う方が多いですよね。私たちが良く使っているワインセラーの理想的な設定温度も13℃~15℃あたりとされています。温度帯の差が大きなところでの実験でしたので、この結果は普通に考えると当たり前と思われる方も多いかと思います。   そこでフィラディスでは、更にもう一歩踏み込んだ実験を行うことにしました。 実験概要 上記の実験で保管に適切とされた14℃の±1℃、つまり「13℃」と「15℃」で保管したワインにどのくらい熟成度の違いが表れるのでしょうか。 そこで今回、泡3種、白3種、赤3種のそれぞれ同一ロットのワインを使い、「13℃」と「15℃」の2つの温度環境で約4年間保管したものを比較テイスティングし、「色」 「香り」 「味わい」の3点で熟成感にどのくらい違いが出てくるのかを検証しました。 普通だと、温

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【フィラディス実験シリーズ第23弾 】 本当に光はワインの大敵なのか? 紫外線によるワインの劣化を徹底検証!(営業 中小路 啓太 )

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【フィラディス実験シリーズ第23弾 】 本当に光はワインの大敵なのか? 紫外線によるワインの劣化を徹底検証!(営業 中小路 啓太 )

一般的には、「ワインはできるだけ光を避けて暗い場所で保存するように」と言われています。   そこで今回の実験では、「光による影響が実際にどれぐらいあるのか?」を確認するため、光以外はほぼ同一の条件で長期間(6ヶ月)保管したワインの試飲を比較してみたいと思います。   両者の違いをディスカッションすることにより、保管時の光によってワインがどの程度影響を受けるのか、併せてワインの色合いや種類(泡白赤)によっても、結果に影響がでるのかも論点とします。 紫外線の作用による劣化とは? 太陽の光に含まれる紫外線や赤外線には、物質を破壊する力があります。 特に紫外線は力が強く、窓際に置いた本や写真が退色したり、日光を長期間浴びたゴムが劣化するのは、紫外線の影響によるものです。人が日焼けをするのも、この紫外線によるものですよね。 紫外線がワインに与える影響としては、その色や味わいを変化させてしまうことが考えられます。 また光に当たり続けると還元臭がする、焼けた臭いの原因になるという意見もあります。これは正確には光というよりも紫外線の影響が強いと言われています。 太陽の光以外に、私たちの日常生

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【フィラディス実験シリーズ第19弾】グラスワインを更に美味しく!“ワインを開かせる系”グッズの実力やいかに?(広報 浅原 有里)

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【フィラディス実験シリーズ第19弾】グラスワインを更に美味しく!“ワインを開かせる系”グッズの実力やいかに?(広報 浅原 有里)

今回の実験では、「グラスワインを更に美味しく提供することは可能か?」をテーマに、巷に溢れる“ワインを開かせる系”グッズの効果を検証していきたいと思います。 何気なく頼んだ1杯のグラスワインが美味しいということは、皆さまご承知のように、お店にとって重大な意味を持ちます。純粋に杯数が伸びるでしょうし、ボトルワインの注文にもつながるかもしれません。また「美味しいワインを出す店」だという認識とともにお得意様になっていただける可能性も高まります。もちろん選ぶワインの種類や銘柄も重要ですが、そのワインのポテンシャルを最大限に引き出すことが出来れば、お客様の満足度も格段に高まるのではないでしょうか。 また、2018年1月号のニュースレターで行った酸化防止グッズの検証実験において、Coravinが酸化を防ぐ能力としては非常に高いものの、ワインが閉じてしまい抑圧されたように感じる&本来の豊かな香りが取りづらい&還元のニュアンスが出やすいといったマイナスの特徴も持っていることが分かりました。 そうした特徴は、開かせる=酸化させるアイテムとは相性が良いはず・・・。ということで、今回の“ワインを開かせる系

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フィラディス実験シリーズ第17弾『船便VS航空便、比較実験から6年熟成させてみました!果たして結果は・・・』(営業 古川 康子)

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フィラディス実験シリーズ第17弾『船便VS航空便、比較実験から6年熟成させてみました!果たして結果は・・・』(営業 古川 康子)

毎月お届けしているFiradisニュースレターも、2011年6月に初回を発行してから、まもなく7年となります。これまでたくさんの実験を行ってきましたが、最初の実験は2012年2月号でお届けした『船便VS航空便、本当はどっちがいいの?~比較実験してみました!』でした。このレポートに対して皆様から多くの反響をいただいたことが励みになり、シリーズとして続けていくきっかけになりました。 そんな思い出深い実験なのですが、実はこの時に輸入した同一ロットのワイン・・・弊社の倉庫でずっと熟成させていたのです!! 今回は、2011年に船便と航空便で輸入した同一ロットのワインを、まったく同じ環境下で更に6年間熟成させた場合、果たして輸送時の影響を受けたままなのか?熟成の進み方に違いはあるのか?を、明らかにしてみたいと思います。 6年経ってこの実験を行うことを聞かされた時、企画を考えた代表・石田の好奇心の旺盛さと執念深さに驚くばかりでした。(少し怖いですよね・・・笑) ★6年前の実験結果はこちら★ [2012年2月号] 船便VS航空便、本当はどっちがいいの? ~比較実験してみました! (営業 古川

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酸化防止 ワインサーバー&Coravinの実力を徹底検証!(商品管理部 鈴木 幸恵)

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酸化防止 ワインサーバー&Coravinの実力を徹底検証!(商品管理部 鈴木 幸恵)

一旦栓を開けたワインにとって、味わいを劣化させてしまう大敵は“酸素”です。皆さまご存知の通り、酸素接触による酸化をいかに防ぐことができるかが、開けたワインを保存する際のカギとなります。   ワインの酸化を防ぐアイテムには、抜栓の後にボトル内の空気を抜いて真空にするバキュヴァンや、酸化を防ぐフィルターを使ったアンチ・オックスなど、色々な種類がありますが、中でも最も効果的だと言われているのが、ボトル内に窒素ガスを充填して物理的に酸素をシャットアウトするタイプです。そして、その代表格がボトルを内蔵する設置型のワインサーバーと、コルクに細い針を通して栓を抜くことなくワインを注げるCoravin(コラヴァン)です。 最近レストランやバーでよく見かけるようになったこれらのアイテムですが、ワインの美味しさの維持にはどれくらいの効果があるのでしょうか?そこで、最近発売された小型の設置型ワインサーバーVinoLungo(ヴィノルンゴ)とCoravinモデル1を比較検証してみました。 【実験で使用した酸化防止アイテム】 ☆ VinoLungo(ヴィノルンゴ) コンパクト&スタイリッシュでワイン2本

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フィラディス実験シリーズ第15弾『ボトル(750ml) vs マグナム!!熟成後の味わいはどう変わるのか?』(営業 白戸 善紀)

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フィラディス実験シリーズ第15弾『ボトル(750ml) vs マグナム!!熟成後の味わいはどう変わるのか?』(営業 白戸 善紀)

今回の実験では、主に750mlボトルとマグナムを比べ、「ボトルサイズの違いによって熟成後のワインの味わいは変わるのか?変わるのであればどう変わるのか?」を検証していきます。 そもそもワインの熟成とは、色調が赤ワインでは紫色から褐色へ、白ワインでは緑から黄色、更に濃くオレンジがかった色へと変わり、香りはフルーツ系からノンフルーツ系の要素がより目立つようになって複雑さが増します。果実味は落ち着き、酸味やタンニンもおだやかに柔らかな質感へと変化していきます。それら各要素の熟成度合いのバランスが取れている状態が、『ワインの飲み頃』だといえるでしょう。 一般的には「大きいサイズのボトルほど熟成がゆっくりで長期貯蔵に向く(小さいサイズのボトルほど早く熟成する)」と言われています。つまり、上で述べたような『ワインの飲み頃』のピークがボトルサイズによって違い、大きいサイズほどピークが来るのが遅くなるというわけです。この定説通りであれば、750mlボトルはマグナムに比べて熟成が進んで早いうちから楽しむことができ、マグナムの飲み頃のピークは遅くなると仮定できます。 上記を踏まえ、750mlボトルとマ

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フィラディス実験シリーズ第13弾『万能なワイングラスを探せ!』(営業 笹井 涼乃)

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フィラディス実験シリーズ第13弾『万能なワイングラスを探せ!』(営業 笹井 涼乃)

今回の実験のテーマは、『万能のワイングラスとは?』です。 以前(2016年7月号)、『ボルドー型グラスやブルゴーニュ型グラスが、本当にそのワインに合っているのか?』という検証を行いましたが、その際にワイングラスの形状によって香りや味わいが違うことを明らかにしました。そして、“ワインに対して求めるもの”によってワイングラスを使い分けることが有効だと提言をさせていただきました。 ≪前回のまとめ≫ グラス形状がワインに与える影響 ≪参考≫[2016年7月号] ボルドー型、ブルゴーニュ型・・・『○○型ワイングラス』は、本当にそのワインに最適な形なのか? 産地や品種ごとに細かく分類されたワイングラスが販売されていますが、現実的にはたくさんの種類を揃えるのは難しいとお悩みの方も多いのではないでしょうか。実際に、1種類のグラスで全て対応しているという声もお聞きしますし、一般のご家庭でも収納スペースが確保できないお宅が多いようです。 そこで今回は、これを置いておけばどんなワインにも対応できる!という『万能グラス』を探すことに焦点を当てました。『○○型グラス』は、合うワインには“最良”でも別の

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フィラディス実験シリーズ第12弾『冷蔵庫での保管はワインを劣化させるのか?』(営業 池田 賢二)

検証&実験

フィラディス実験シリーズ第12弾『冷蔵庫での保管はワインを劣化させるのか?』(営業 池田 賢二)

ワインの保管には、温度、湿度、匂い、光や振動の有無など様々な条件があります。その全てをクリアするという意味で、ワインセラーは理想的なアイテムです。しかし、レストランにおいてもご家庭においても、セラースペースの確保は悩みの種。ベストな保管方法ではないと理解していても、止むを得ず冷蔵庫で保管されている方も多いのではないでしょうか。 では、セラー保管と比べて冷蔵庫保管はどれほどワインに影響を与えるのでしょう?そこで今回は、「冷蔵庫保管が本当にワインを劣化させるのか」をテーマに、保管期間(1週間、3ヶ月)を変えて検証してみました。 【実験概要】 ● ワイン種類 今回用意したワインは、泡、白、繊細な赤2種、ミディアム赤、しっかり赤2種の7種類です。 それぞれ、通常のセラー保管(白・泡のみ試飲直前に2時間冷蔵庫保管)と、冷蔵庫保管1週間、冷蔵庫保管3ヶ月のワインを用意しました。 ● 冷蔵庫の条件 今回使用した冷蔵庫は、天板面を作業スペースとして使用できる業務用のコールドテーブルで、扉はステンレスではなくガラス引戸のタイプです。 温度は通常の冷蔵庫と同等の約3℃に設定し、店舗やご家庭の

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ボルドー型、ブルゴーニュ型・・・『○○型ワイングラス』は、本当にそのワインに最適な形なのか?(リテール事業部 五十嵐 祐介)

検証&実験

ボルドー型、ブルゴーニュ型・・・『○○型ワイングラス』は、本当にそのワインに最適な形なのか?(リテール事業部 五十嵐 祐介)

株式会社フィラディスのインターネットストアを運営している、リテール事業部の五十嵐と申します。 今回は、レストラン様も一般消費者も非常に強い関心を持っていらっしゃるワイングラスを取り上げます。テーマは、「ボルドー型グラスやブルゴーニュ型グラスが、本当にそのワインに合っているのか?」です。昨今グラスメーカーが意欲的に提案している『ワインの香り・味わいとグラス形状の関係性』について、客観的に検証した実験結果をご報告します。 当たり前のように使っているボルドー型グラスやブルゴーニュ型グラスですが、本当にそれぞれのワインの個性・実力を最大限に、いや、それ以上に引き出すことが出来るのでしょうか・・・??? 【味覚の仕組み】 実験レポートの前にまず、人間の舌がワインの味わいを捉える仕組みについて改めて確認しましょう。 ● 口中での味わいの捉え方 『味覚地図』というものを見たことのある方も多いかと思います。 下の図のように、舌の先端部分で甘味を感じ、その横で塩味、横側で酸味、付け根部分で苦みを感じるという、「味を感じる神経は、味の種類ごとに分かれて分布している」と説の基本となっていたもので

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【フィラディス実験シリーズ第6弾】 本格的な夏到来間近!今、最も気になる“熱劣化”を徹底検証(営業 白戸 善紀)

検証&実験

【フィラディス実験シリーズ第6弾】 本格的な夏到来間近!今、最も気になる“熱劣化”を徹底検証(営業 白戸 善紀)

今回の実験のテーマは、真夏の到来を控えた今だからこそ気になる『熱によるワインの劣化』です。   フィラディスでは、各国のワイナリーからワインをピックアップしたところから、船での輸送はもちろん船積みを待つ間などの僅かな時間も常に温度管理を徹底し、お客様のお手元に届くまで細心の注意を払っております。全ては熱によってワインの美味しさが損なわれるのを防ぐためです。では、熱が入ってしまったワインはどのような変化をするのか?今回実際に実験で検証してみました。 また、お客様(レストラン様や酒販店様)のお手元に届いてからのお店での保管や配送時には様々な状況が考えられると思いますので、基準となるような情報をお届けしたいと考えました。 今回の実験で解明するポイントは以下の3つです。 ① 熱が入ったワインの味わいはどのように変化するのか? ② 高温にさらされる時間やその温度によって劣化度合いは変わるのか? ③ 一度劣化したワインは時間と共に回復するのか? 【実験方法】 熱による劣化がどの温度帯から起きるのかを調べるため、30℃、35℃、50℃でワインを湯せんしました。湯せん時間は、1時間と8時間

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【フィラディス実験シリーズ第4弾】  『液面の高さ』はどこまでが許容範囲なの? (営業 山口 要)

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【フィラディス実験シリーズ第4弾】 『液面の高さ』はどこまでが許容範囲なの? (営業 山口 要)

実験シリーズ第4弾となる今回は、日頃オールドヴィンテージのワインを多く取り扱う弊社ならではの実験として、ワインの液面低下をテーマに『液面の高さ』はどこまでが許容範囲なのかを検証したいと思います。 皆さまもオールドヴィンテージのワインを購入される際に、あまりに液面が低いと液漏れや状態不良の可能性を心配するとともに、どの程度まで気にするべきなのか悩んだ経験があるのではないでしょうか。 液面低下の理由 そもそも、なぜワインの液面が低下するのでしょうか。 一般的に経年変化として、10年で1cm程度目減りするとされています。目減りの理由としては、「瓶詰めされたワインはコルクを通して酸素を取り込み、ゆっくりと熟成していく」というルイ・パストゥールの言葉が長らく信じられてきましたが、現在ではこの考え方は誤りであり、コルク栓は空気に対して完全なる密閉状態であることが分かっています。密閉状態であるにも関わらず、時間の経過と共にワインが目減りする理由は3つ考えられます。 1つは、コルクがワインを吸収するためです。何十年も経ったコルクを見ると、少し重みを感じる程にワインが全体に染み込んでいるのが分

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